保険給付②


障害(補償)等給付

種類及び額

障害(補償)等給付は、労働者が業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要員とする事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかり、治ったときに身体に障害等級に該当する障害が存する場合に、その障害等級に応じ、次の額の障害(補償)等年金又は障害(補償)等一時金として支給される。

障害(補償)等年金:第1〜7級:1年につき給付基礎日額の(順番に)313, 277, 245, 213, 184, 156, 131日分

障害(補償)等一時金:第8〜14級:給付基礎日額の(順番に)503, 391, 302, 223, 156, 101, 56日分

併合等

同一の事故による身体障害が2以上ある場合は、原則として、そのうち重い方を全体の障害等級とする(併合)。

同一の事故による第13等級以上の身体障害が2以上あるときは、次のように重い方の障害等級を繰り上げて、全体の障害等級とする(併合繰上げ)。

  1. 第13級以上に該当する身体障害が2以上あるときは、重い方の障害等級を1級繰り上げる
  2. 第8級以上に該当する身体障害が2以上あるときは、重い方の障害等級を2級繰り上げる
  3. 第5級以上に該当する身体障害が2以上あるときは、重い方の障害等級を3級繰り上げる

加重

既に身体障害(業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤によるものであるか否かは問わない)のあった者が、業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤による負傷又は疾病により、同一の部位について障害の程度を加重した(さらに重くした)場合は、次のような差額支給が行われる。

  1. 加重前後の身体障害の該当する障害等級がともに第7級以上である場合、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害(補償)等年金の額から、既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害(補償)等年金の額を控除した額が支給される
  2. 加重前後の身体障害の該当する障害等級がともに第8級以下である場合は、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害(補償)等一時金の額から、既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害(補償)等一時金の額を控除した額が支給される
  3. 既にあった身体障害の該当する障害等級が第8級以下であり、現在の身体障害の該当する障害等級が第7級以上である場合、現在の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害(補償)等年金の額から既にあった身体障害の該当する障害等級に応ずる障害(補償)等一時金の額の25分の1を控除した額が支給される

変更

障害(補償)等年金を受ける労働者の当該障害の程度に変更があったため、新たに他の障害等級に該当するに至った場合には、ラタに該当するに至った障害等級に応ずる障害(補償)等年金又は障害(補償)等一時金が支給され、その後は、従前の障害(補償)等年金は、支給されない。

障害(補償)等一時金の支給を受けた者の障害の程度が自然的に増悪又は軽減しても変更の取扱は行われない。

再発

障害(補償)等年金の受給権者の負傷又は疾病が再発した場合は、従前の障害(補償)等年金の支給は打ち切られる(再発による療養の期間中は、療養(補償)等給付等を受給できる)。そして、再治癒後の身体障害については、その該当する障害等級に応ずる障害(補償)等年金又は障害(補償)等一時金が支給される。

障害(補償)等年金前払一時金

障害(補償)等年金は、一定の支払期月ごとに支払われることとされるが、障害の残った労働者が社会復帰するには、一時的にまとまった資金が必要となる場合がある。

そこで、一定の範囲内の年金額を一括し一時金として前払いする制度が設けられており、「政府は、当分の間、労働者が業務上の事由、複数事業労働者の2以上の事業の業務を要因とする事由又は通勤により負傷し、又は疾病にかかり、治ったとき身体に障害が存する場合における当該障害に関しては、障害(補償)等年金を受ける権利を有する者に対し、その請求に基づき、保険給付として、障害補償等年金前払一時金を支給する。」とされる。

支給額

障害(補償)等年金前払一時金の額は、障害等級に応じて、次の額から受給権者が選択した額となる。

(一旦割愛。数字を覚えるらしい)

請求

「障害(補償)等年金払一時金の請求は、同一の事由に関し、1回に限り行うことができる。」

「障害(補償)等年金前払一時金の請求は、障害(補償)等年金の請求と同時に行わなければならない。ただし、障害(補償)等年金の支給の決定の通知のあった日の翌日から起算して1年を経過するまでの間は、当該障害(補償)等年金を請求した後においても障害(補償)等年金前払一時金を請求することができる。」

当該一時金の請求は、遅くとも、障害(補償)等年金の支給決定通知日の翌日から起算して1年以内に行わなければならない。

支給停止

障害(補償)等年金前払一時金が支給される場合、当該労働者の障害に係る障害(補償)等年金は、各月に支給されるべき額の合計額が当該障害(補償)等年金前払一時金の額に達するまでの間、その支給が停止される。

障害(補償)等年金差額一時金

支給要件及び支給額

障害(補償)等年金を受ける権利を有する者が死亡した場合において、その者に支給された当該障害(補償)等年金の額及び当該障害(補償)等年金にかかる障害(補償)等年金前払一時金の額の合計額が、当該障害(補償)等年金にかかる障害等級に応じ、障害(補償)等年金前払一時金の最高限度額に満たないときは、その者の遺族に対し、その請求に基づき、その差額に相当する額の障害(補償)等年金差額一時金が支給される。

受給権者

障害(補償)等年金差額一時金の受給権者となるのは、次の1,2の受給資格者(受給する資格を有する者)のうちの最先順位者(1,2の順序で、1,2の中では掲げた順序による者)。

  1. 労働者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた配偶者父母祖父母及び兄弟姉妹
  2. 上記1に該当しない配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹

最先順位者が2人以上あるときは、そのすべての者が受給権者となり、1人当たりの支給額はその人数で除して得た額になる。

死亡労働者と生計を同じくしていなかった妻と、生計を同じくしていた兄が遺族であるときは、兄が障害(補償)等年金差額一時金の受給権者となる。

介護(補償)等給付

支給要件

介護(補償)等給付は、障害(補償)等年金又は傷病(補償)等年金を受ける権利を有する労働者が、その受ける権利を有する障害(補償)等年金又は傷病(補償)等年金の支給事由となる障害であって、一定程度のものにより、常時又は随時介護を要する状態にあり、かつ、常時又は随時介護を受けているときに、当該介護を受けている間(次の1-3に掲げる間を除く)、当該労働者に対し、その請求に基づいて行う。」

  1. 障害者支援施設に入所している間(生活介護を受けている場合に限る)
  2. 障害者支援施設(生活介護を行うものに限る)に準ずる施設として厚生労働大臣が定めるものに入所している間
  3. 病院又は診療所に入院している間

支給額

介護(補償)等給付は、を単位として、その月に支出された介護費用の額が実費支給される。ただし上限が定められており、常時介護を要する状態にある場合は186,050円を、随時介護を要する状態にある場合は92,980円を、それぞれ超えては支給されない。

また、その月に「親族等による介護を受けた日」がある場合は、その月が支給事由が生じた月(介護を受け始めた最初の月)である場合を除き、最低補償額の適用がある。具体的には、たとえ介護費用を支出した日がない月であっても、常時介護を要する場合には85,490円が、随時介護を要する場合には42,700円が、それぞれ最低でも支給される。

請求

「障害(補償)等年金を受ける権利を有する者が介護(補償)等給付を請求する場合における当該請求は、当該障害(補償)等年金の請求と同時に、又は請求をした後に行わなければならない。」

ミニテスト

0/10問回答済み
Q1. 障害(補償)等年金が支給される障害等級はどれか。
Q2. 障害(補償)等年金の第7級の支給額として正しいものはどれか。
Q3. 障害(補償)等一時金の第8級の支給額として正しいものはどれか。
Q4. 同一の事故による障害の併合繰上げに関する記述として誤っているものはどれか。
Q5. 加重に関する記述として正しいものはどれか。
Q6. 障害(補償)等年金前払一時金の請求に関する記述として正しいものはどれか。
Q7. 障害(補償)等年金前払一時金の請求期限として正しいものはどれか。
Q8. 障害(補償)等年金差額一時金の受給権者の順位として正しいものはどれか(労働者の死亡の当時その者と生計を同じくしていた者がいる場合)。
Q9. 介護(補償)等給付が支給されない期間として正しくないものはどれか。
Q10. 介護(補償)等給付の支給額に関する記述として正しいものはどれか。