目的等
「厚生年金保険法は、労働者の老齢、障害又は死亡について保険給付を行い、労働者及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」
厚生年金保険は、政府が管掌する。
厚生年金保険の事務は、被保険者の種別、厚生年金保険事業の事務の区分にしたがって、後で述べる各実施機関が行うが、そのうち、厚生労働大臣が実施機関として責任を負う運営事務のほとんどは、次のように日本年金機構(「機構」)が行なっている。
- 権限に係る事務の委任: 厚生労働大臣の権限に係る事務の一部は、厚生労働大臣の委任を受けて、機構がその権限で行なっている
- 事務の委託: 厚生労働大臣の権限で行う事務のほとんどについても、厚生労働大臣の委託を受けて、機構が事務処理を行なっている
厚生労働大臣の権限の一部は、厚生労働大臣の委任を受けて、地方厚生局長等が行使している。
厚生年金保険法における実施機関は、対象となる被保険者の種別及び事務の区分に応じて、次のように定められている。
- 厚生労働大臣: 第1号厚生年金被保険者
- 国家公務員共済組合及び国家公務員共済組合連合会: 第2号厚生年金被保険者
- 地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会及び地方公務員共済組合連合会: 第3号厚生年金被保険者
- 日本私立学校振興・共済事業団: 第4号厚生年金被保険者
強制適用事業所
次にいずれかに該当する事業所、事務所、又は船舶は、厚生年金保険法の強制適用事業所となる。
- 適用業種である事業の事業所であって、常時5人以上の従業員を使用するもの
- 国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を雇用するもの
- 船員法1条に規定する船員として船舶所有者に使用される者が乗り組む船舶
厚生年金保険の強制適用事業所は、「健康保険の強制適用事業所」に、「船員として船舶所有者に使用される者が乗り組む船舶」を加えたものになる。
任意適用事業所
強制適用事業所以外の事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所とすることができる。
この認可を受けようとするときは、当該事業所の事業主は、当該事業所に使用される者(適用除外に該当する者を除く)の2分の1以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。
擬制
船舶以外の強制適用事業所が、使用労働者数の減少や業種変更などにより強制適用の要件を欠くに至った場合は、自動的に任意適用事業所の認可があったものとみなされる。
任意適用事業所の取り消し
任意適用事業所の事業主は、厚生労働大臣の認可を受けて、当該事業所を適用事業所でなくすることができる。この認可を受けようとするときは、事業主は、当該事業所に使用される者(適用除外に該当する者を除く)の4分の3以上の同意を得て、厚生労働大臣に申請しなければならない。
任意適用事業所の認可があったときは、任意加入することに不本意であった者も含めて被保険者の資格を取得し、適用事業所の取消しの認可があったときは、脱退することに不同意であった者も含めて被保険者の資格を喪失する。
適用事業所の一括
2以上の適用事業所(船舶を除く)の事業主が同一である場合には、当該事業主は、厚生労働大臣の承認を受けて、当該2以上の事業所を一の適用事業所とすることができる。
2以上の船舶の船舶所有者が同一である場合には、当該2以上の船舶は、厚生労働大臣の承認を受けることなく、法律上当然に一の適用事業所とされる。
適用事業所に関する届出
第1号厚生年金被保険者に係る事業主は機構に対して、次のような届出をしなければならない。
- 新規適用届: 強制適用事業所に該当してから5日以内(船舶は10日以内)
- 適用事業所全喪届: 適用事業所を廃止・休止等してから5日以内(船舶は10日以内)
- 所在地・名称変更届: 事業所の名称・所在地等に変更があってから5日以内(船舶は速やかに)
- 事業主変更届: 事業主に変更があってから5日以内(船舶は規定なし)(変更後の事業主が届出)
- 代理人選任(解任)届: 代理人を選任又は解任する際にあらかじめ(船舶は規定なし)