監督等その他


特別安全衛生改善計画

厚生労働大臣は、重大な労働災害として厚生労働省令で定めるもの(「重大な労働災害」)が発生した場合において、重大な労働災害の再発を防止するため必要がある場合として厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときは、事業者に対し、その事業場の安全又は衛生に関する改善計画(特別安全衛生改善計画)を作成し、これを厚生労働大臣に提出すべきことを指示することができる。」

「厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画が重大な労働災害の再発の防止を図る上で適切でないと認めるときは、事業者に対し、当該特別安全衛生改善計画を変更すべきことを指示することができる。」

厚生労働大臣の勧告及び公表

「厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画の作成若しくは変更の指示を受けた事業者がその指示に従わなかった場合又は特別安全衛生改善計画を作成した事業者が当該特別安全衛生改善計画を守っていないと認める場合において、重大な労働災害が再発するおそれがあると認めるときは、当該事業者に対し、重大な労働災害の再発の防止に関し必要な措置をとるべきことを勧告することができる。」

「厚生労働大臣は、上記の勧告を受けた事業者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる。」

安全衛生診断

「厚生労働大臣は、特別安全衛生改善計画の作成又は変更の指示をした場合において、専門的な助言を必要とすると認めるときは、当該事業者に対し、労働安全コンサルタント又は労働衛生コンサルタント(以下「コンサルタント」)による安全又は衛生に係る診断を受け、かつ、特別安全衛生改善計画の作成又は変更について、これらの者の意見を聴くべきことを勧奨することができる。」

安全衛生改善計画

都道府県労働局長は、事業場の施設その他の事項について、労働災害の防止を図るため総合的な改善措置を講ずる必要があると認めるとき(前期の厚生労働大臣が厚生労働省令で定める場合に該当すると認めるときを除く)は、事業者に対し、当該事業場の安全又は衛生に関する改善計画(安全衛生改善計画)を作成すべきことを指示することができる。」

安全衛生診断

都道府県労働局長は、安全衛生改善計画の作成の指示をした場合において、専門的な助言を必要とすると認めるときは、当該事業者に対し、コンサルタントによる安全又は衛生に係る診断を受け、かつ、安全衛生改善計画の作成について、これらの者の意見を聴くべきことを勧奨することができます。

コンサルタントの義務

「コンサルタントは、コンサルタントの信用を傷つけ、又はコンサルタント全体の不名誉となるような行為をしてはならない。」「コンサルタントは、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。コンサルタントでなくなった後においても、同様とする。」

コンサルタントが当該義務規定に違反したときは、厚生労働大臣はその登録を取り消すことができる

計画の届出等

事業者は、次の場合には、計画の届出を行わなければならない。

計画の届出自由 届出時期 届出先
①特定機械等の一定の機械等(仮設のものを除く)を設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとするとき 工事の開始の日の30日前まで 労働基準監督署長
②重大な労働災害を生ずるおそれがある特に大規模な建設業の仕事で、一定のものを開始しようとするとき 仕事の開始の日の30日前まで 厚生労働大臣
③建設業及び土石採取業の仕事で、一定のものを開始しようとするとき 仕事の開始の日の14日前まで 労働基準監督署長

上記①の届出については、「調査等の責務」「表示対象物及び通知対象物について事業者が行う調査等」で述べた危険性又は有害性等調査及びその結果に基づき講ずる措置並びに厚生労働大臣が定める指針(労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針)に従って事業者が行う自主的活動の措置(いわゆるリスクアセスメントを含む労働安全衛生マネジメントシステム)を講じているものとして、労働基準監督署長が認定した事業者については、免除される。

当該計画届の免除の認定は、3年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。

計画の審査

厚生労働大臣は、届出があった計画のうち、高度の技術的検討を要するものについて、都道府県労働局長は、届出があった計画のうち、高度の技術的検討を要するものに準ずるものについて、審査をすることができる。

なお、厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、計画の審査を行うに当たっては、学識経験者の意見をきかなければならない。

工事開始差止命令等

労働基準監督署長又は厚生労働大臣は、計画の届出に係る事項が、労働安全衛生法または同法に基づく命令の規定に違反すると認めるときは、当該届出をした事業者に対し、その届出に係る工事若しくは仕事の開始を差し止め、又は当該計画を変更すべきことを命ずることができる。

監督機関、雑則等

監督機関に対する申告

作業従事者は、事業場に労働安全衛生法又は同法に基づく命令の規定に違反する事実があるときは、その事実を都道府県労働局長、労働基準監督署長又は労働基準監督官に申告して是正のため適当な措置をとるように求めることができる。

「事業者は、申告をしたことを理由として、労働者に対し、解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」「注文者、機械等貸与者その他作業従事者に係る事業を行う者の契約の相手方は、申告をしたことを理由として、当該事業を行う者に対し、取引の停止その他の不利益な取扱いをしてはならない。」これに違反したときは、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられる。

労働基準監督官の権限

「労働基準監督官は、労働安全衛生法を施行するため必要があると認めるときは、事業場に立ち入り、関係者に質問し、帳簿、書類その他の物件を検査し、若しくは作業環境測定を行い、又は検査に必要な限度において無償で製品、原材料若しくは器具を収去することができる。」

「労働基準監督官は、労働安全衛生法の規定に違反する罪について、刑事訴訟法の規定による司法警察員の職務を行う。」

使用停止等の命令

都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、危害防止措置基準に違反する事実があるときは、その違反した事業者、注文者、機械等貸与者又は建築物貸与者に対し、作業の全部又は一部の停止、建設物等の全部又は一部の使用の停止又は変更その他労働災害を防止するため必要な事項を命ずることができる。

都道府県労働局長又は労働基準監督署長は、危害防止措置基準に違反する事実がない場合においても、労働災害発生の急迫した危険があり、かつ、緊急の必要があるときは、必要な限度において、事業を行う者に対し、作業の全部又は一部の一時停止、建設物の全部又は一部の使用の一時停止その他当該労働災害を防止するため必要な応急の措置を講ずることを命ずることができる。

法令等の周知

事業者は、労働安全衛生法及び同法に基づく命令の要旨を常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けることそのほかの厚生労働省令で定める方法により、労働者に周知させなければならない。また、産業医を選任した事業者は、その事業場における産業医の業務の内容その他の産業医の業務に関する事項を、常時各作業場の見やすい場所に刑事し、又は備え付けることその他の厚生労働省令で定める方法により、労働者に周知させなければならない。

報告等

「事業者は、事業場又はその附属建設物内で火災又は爆発の事故等が発生したとき、ボイラーの破裂の事故が発生したとき又はクレーン、移動式くれーん、デリックの倒壊の事故が発生したとき等、一定の事故が発生した場合には、遅滞なく、事故報告書を所轄労働基準監督署長に提出しなければならない。」当該事故により労働者が負傷等したか否かを問わず、当該届出を行う必要がある。

「事業者は、労働者が労働災害その他就業中または事業場内若しくはその附属建物内における負傷、窒息又は急性中毒により死亡し、又は休業したときは、遅滞なく、電子情報処理組織を使用して、所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。」当該死傷病が労働災害に該当するか否かを問わず、当該報告を行う必要がある。

派遣中の労働者については、派遣先の事業者が労働者死傷病報告を当該派遣先の所轄労働基準監督署長に行い、遅滞なく、その内容を派遣元の事業者に報告しなければならず、当該派遣元の事業者は、労働者死傷病報告を派遣元の所轄労働基準監督署長に行わなければならない(派遣元・派遣先双方に報告義務がある)

事業者は、化学物質又は化学物質を含有する製剤を製造し、又は取り扱う業務を行う事業場において、1年以内に2人以上の労働者が同種のがんに罹患したことを把握したときは、当該罹患が業務に起因するかどうかについて、遅滞なく、医師の意見を聞かなければならない。医師が、その罹患が業務上に起因するものと疑われると判断したときは、遅滞なく、所定の事項について、所轄都道府県労働局長に報告しなければならない。

罰則

労働安全衛生法には、次のような罰則が設けられている。

3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金:

  • 製造等禁止物質規定違反

1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金:

  • 製造許可物規定違反
  • 特定機械等製造許可規定違反
  • 個別(型式)検定規定違反
  • 労働安全・労働衛生コンサルタントの秘密保持義務違反
  • 登録設計審査等機関、登録性能検査機関、登録個別(型式)検定機関等の業務停止命令違反...等

6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金:

  • 作業主任者選定規定違反
  • 製造時等検査規定違反
  • 規格等不具備機械等譲渡
  • 個別(型式)検定違反の機械の使用
  • 就業制限、特別教育、作業環境測定の規定違反
  • 病者の就業禁止違反
  • 安衛法違反の申告をした作業従事者の不利益取扱い禁止規定の違反...等

50万円以下の罰金:

  • 統括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医等の選定規定違反
  • 安全(衛生)委員会設置規定違反
  • 雇入れ時・作業内容変更時の安全衛生教育規定違反
  • 定期健康診断、特殊健康診断、面接指導実施規定違反
  • 報告等義務違反
  • 就業制限の業務の従事
  • 労働基準監督官等の立入調査の拒否...等

法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、当該罰則が適用される違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各条の「罰金刑」が科せられる

ミニテスト

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Q1. 特別安全衛生改善計画に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q2. 安全衛生改善計画に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q3. 計画の届出に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q4. 安全衛生診断及びコンサルタントに関する記述のうち、誤っているものはどれか。
Q5. 労働基準監督官の権限に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q6. 計画の届出に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q7. 報告等に関する記述のうち、誤っているものはどれか。
Q8. 使用停止等の命令に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q9. 罰則に関する記述のうち、正しいものはどれか。
Q10. 報告等に関する記述のうち、正しいものはどれか。