面接指導等


面接指導の実施等

長時間労働など過重な労働に従事する労働者の健康状態を把握し、適切な措置を講じるようにするため、事業者は、一定の要件に該当する労働者に対し、医師による面接指導を実施しなければならないことが定められている。

長時間労働者からの申出による面接指導の実施

事業者は、その労働時間の状況その他の事項が労働者の健康の保持を考慮して定める一定の要件に該当する労働者(後述する面接指導の対象となる者を除具)に対し、当該労働者の申出により、医師による面接指導を行わなければならない。

この「一定の要件」とは、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1月当たり80時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められる者であることとされる(ただし、当該超えた時間の算定期日前1月以内に当該面接指導又は後述する面接指導を受けた労働者などであって当該面接指導を受ける必要がないと医師が認めたものは除かれる)。

産業医は、この要件に該当する労働者に対して、面接指導の申出を行うよう勧奨することができる。

面接指導の事後措置等

「事業者は、前述した面接指導の結果に基づき、当該労働者の健康を保持するために必要な措置について、医師の意見を聞かなければならない。」

「事業者は、上記の医師の意見を勘案し、その必要があると認めるときは、当該労働者の実情を考慮して、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置を講ずるほか、当該医師の意見の衛生委員会若しくは安全衛生委員会または労働時間等設定改善委員会への報告その他の適切な措置を講じなければならない。」

面接指導の結果の記録

事業者は、前述した面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録(医師の意見の記載要)を作成して、これを5年間保存しなければならない。

研究開発業務従事者への面接指導等

労働基準法36条11項に規定する新技術・新商品等の研究開発業務に従事する者(同法41条により労働時間・休憩・休日の規定が適用除外となる者及び後述する面接指導の対象となる者を除く)について、休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間について、1月当たり100時間を超える場合には、事業者は、当該労働者からの申出がなくても、医師による面接指導を行わなければならない。

この場合の事後措置等及び結果の記録は、前期と同様だが、「就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置」は、「就業場所の変更、職務内容の変更有給休暇(労働基準法39条の規定による年次有給休暇を除く)の付与、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置」と読み替えるものとされる。

労働時間の状況の把握

事業者は、前述した面接指導を実施するため、タイムカードによる記録、パーソナルコンピュータ等の電子計算機の使用時間の記録等の客観的な方法により、労働者(下記の面接指導の対象となる者を除く)の労働時間の状況を把握しなければならない。

高度プロフェッショナル制度の対象労働者への面接指導等

労働基準法41条の2,1項に規定する高度プロフェッショナル制度の対象労働者であって、1週間当たりの健康管理時間が40時間を超えた場合におけるその超えた時間について、1月当たり100時間を超えるものに対し、事業者は、当該労働者からの申出がなくても、医師による面接指導を行わなければならない。

この場合の事後措置等及び結果の記録は、前期と同様であるが、「就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数の減少等の措置」は、「職務内容の変更有給休暇(労働基準法39条の規定による年次有給休暇を除く)の付与健康管理時間が短縮されるための配慮等の措置」と読み替えるものとされる。

心理的な負担の程度を把握するための検査等

ストレスチェックの実施

事業者は、常時使用する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、医師、保健師又は厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士若しくは公認心理師(以下「医師等」)による心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を行わなければならない。

検査を受ける労働者について解雇、昇進又は移動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、検査の実施の事務に従事してはならない。

ストレスチェックの事後措置

事業者は、ストレスチェックを受けた労働者に対し、当該検査を行なった医師等から当該検査の結果が通知されるようにしなければならない。当該医師等は、あらかじめ当該検査を受けた労働者の同意を得ないで、当該労働者の検査の結果を事業者に提供してはならない。

上記の通知を受けた労働者であって、心理的な負担の程度が労働者の健康の保持を考慮して厚生労働省令で定める要件に該当するもの(検査の結果、心理的な負担の程度が高い者であって、面接指導を受ける必要があると当該検査を行なった医師等が認めたもの)が医師による面接指導を受けることを希望する旨を申し出たときは、事業者は、当該申出をした労働者に対し、医師による面接指導を行わなければならない。

面接指導を実施した事業者は、前記と同様、その結果に基づき、医師の意見を聴いた上で、必要があると認めるときは、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮等の措置その他の適切な措置を講じなければならない。

面接指導の結果の記録等

事業者は、面接指導の結果に基づき、当該面接指導の結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。

常時50人以上の労働者を使用する事業者は、1年以内ごとに1回、定期に、電子情報処理組織を使用して、検査及び面接指導の結果等について、所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。

ミニテスト

0/10問回答済み
Q1. 長時間労働者からの申出による面接指導において、面接指導の対象となる「一定の要件」として正しいものはどれか。
Q2. 長時間労働者への面接指導について、産業医ができることとして正しいものはどれか。
Q3. 面接指導の事後措置について、事業者が行わなければならないこととして正しいものはどれか。
Q4. 面接指導の結果の記録について、事業者の義務として正しいものはどれか。
Q5. 研究開発業務従事者への面接指導について、正しいものはどれか。
Q6. 研究開発業務従事者への面接指導後の事後措置として、一般の労働者と異なる措置はどれか。
Q7. 高度プロフェッショナル制度の対象労働者への面接指導について、正しいものはどれか。
Q8. 高度プロフェッショナル制度の対象労働者への面接指導後の事後措置として含まれるものはどれか。
Q9. ストレスチェックの実施について、正しいものはどれか。
Q10. ストレスチェック実施後の面接指導について、正しいものはどれか。